【軸九】第2回玄會レポート

「離九」松永真由美さんの玄會レポートに続いて、九州在住組員「軸九」によるレポートをお届けします。

今回の担当は、大分市在住の河野恵さん。この夏より組員となりましたが、春の編集ワークショップやお茶摘みにも参加するなど、フットワークの軽い好奇心旺盛な組員さんです。編集学校では守・破のコースを修了されました。

「生まれも育ちも九州は大分。3年弱の東京生活を除き、ずーーーっと大分市に住んでいます。」という河野さんの痛快レポートをどうぞ!

軸九:河野 恵

<1日目>

 11:45 ごうや亭集合
 博多駅集合のみなさんに現地集合組が合流し、簡単な自己紹介。の途中で、しょっぱなから遅刻してしまった自分が割り込み。テーブルの上には、立派な日程表が。

 自己紹介後は、田中さんがご用意くださった宇治山哲平画伯の資料をもとに、しばし宇治山哲平、松岡校長話に花が咲く。日田出身の中野組長のご両親と宇治山氏家族との意外なつながりも!?聞け、スタート直後から新しい発見の連続。
 いつの間にか後回しになってしまった食事…。食べたのは、白いこんにゃくのようなものが多用されたお弁当。天ぷらにもその“こんにゃく”が使われていた。あれは何だったのか? お店の人に聞き忘れしまいました…。



レポート担当のため終日メモ帳は肌身離さず(中央が河野さん)


 腹の皮が突っ張ると目の皮が緩む…暇もなく、もっともっと!と新しい発見を欲する脳をなだめながら外へ出ると、見事な豪雨。

 豆田町の細い道を車移動で咸宜園へ。
 着くなり、“咸宜園解説者”の錦さんが「秋風庵」の中に案内してくださり、解説開始。その素晴らしい説明に、耳を傾けるどころかたちまち引き込まれる。あまりに詳しく(道草の多い?)説明のため、予定時間をオーバー。「残り5分くらいで…」とお願いすると、立て板に水の説明が雪解けの滝のようにパワーアップ。その短い中にも、昭和天皇に手ぬぐいを差し出した当時の解説者「古川さん」の話を入れ込んでしまう強引さ、その様子は水量・速さともにもはや日本の滝ではなく、ナイアガラのようでした…。


小道具も飛び出し、ますます絶好調の錦さん

 晴れていればもっともっと見学したいところでしたが、なんとも雨が…。錦さんにも咸宜園にも後ろ髪を引かれつつ、次は降りしきる雨の中廣瀬資料館へ走りこみました。
 ここには廣瀬家の歴史の品々ががずらりと並んでいました。ただ時間がおしていたので、中でも駆け足。もう少し時間があったなら…しかし、廣瀬家の“力”は充分に伝わってきました。

 そして豆田の細い道を迷いながら大超寺へ。ここで中村さん合流。
 昼食時に田中さんのお話で予習していた、宇治山哲平画伯の襖絵と一年に一度しか見ることができない極楽浄土絵と地獄絵を見物。襖絵は宇治山氏ならではの○△□を使った色鮮やかなもので、“極楽浄土”を表しているらしい。ご住職によると、本堂をやり直す際に檀家であった宇治山氏に“記念で”お願いし、実現したとのこと。苦しい生活をしていた宇治山氏を助けるためにお願いしたのか?と予想していたので、ちょっと残念。晩年、おそらく療養していた別府で書いたものだろう、とのこと。住職の見解では、宇治山氏の襖絵の「左右対称に見えてそうでない」というところは、極楽浄土の絵も一見、左右対称に見える点を意識したのではないか?ということだった。
 その後、極楽浄土絵や地獄絵の説明を丁寧にしてくださったご住職。そして地獄絵の話が終わったとたん、「ドーン!」大きな雷が響いた。タイミングのいい脅かし雷がご住職にスイッチを入れてしまったのか、本堂の天井についた謎の?足・手跡発見大会へ。お盆らしい?謎めいた涼しいお話もお腹いっぱい聞けました。


8月16日は年に一度のご開帳日。夜は「えんまさま祭り」が催される


 雨の高速、雨の山道を通り、筌の口温泉へ。
 熱くないのに汗が噴出す温泉にじっくり浸かっていたのは以外にも男性陣。雨に打たれた体を洗い、しばしの休息をとっていざ寺床の家に出発!

 と、トラブル発生! ワゴン車のすぐ後ろにスタンバイし、脱輪の様子をじっくり見てしまいました。。。しかし、偶然に居合わせた地元、観光客の方々の助言、素晴らしすぎるサポートのお陰で無事、乗り切ることができました。まさに旅は道連れ世は情け? あの方々にも、手ぬぐいを差し上げるべきだったかもしれないですね…。名前も知らない“あの時の方々”、本当にありがとうございました!


今回の一番の功労者だったかもしれないワゴン車…


 さあ、あとは宿に行くのみ!
 とその前に、もう一つトラブルがあったみたいですね。初参加の矢野さんのシャツとズボンに、細いくねくね上り坂を無事乗り越えた勲章が残っていました。

 豪雨、トラブルを走りぬけ、寺床の家に着いたのは日も暮れて暗くなり始めたころ。雨も上がった山の山の上は、ひんやり涼くなっていました。宿に入ると中学生のころに行った「少年自然の家」を思い出す2段ベット。寝床の確保もそこそこに、宿の前に立つ山小屋で玄曾を執り行われました。(初参加なので、かなり緊張しました…)


あいにくの悪天候。夜は小降りとなった


 そして待ちに待った夕食。今回のテーマが「神仏習合」ということで、ご主人が仏教発祥の地と同じ生まれだというナスを七変化させる、楽しく美味しいナスのフルコースを作ってくだいました。
 ちなみにメニューは「ナスと梅肉あえ」「ナスげそ煮」「海老もどき」「ナスのにこごり」「ナスと蒸し肉のカラフルドレッシング」「ナス餃子」「海老もどきのカラフルドレッシングかけ」。〆はご飯とお味噌汁で。もちろんナス入り!



料理が出てくるたびに撮影会!

 雨のせいで?大幅に時間がおした1日目。22時過ぎにようやく夕食のテーブルは片付けられ、九天夜座に突入! ホワイトボードをフルに使った中村講師の「神と佛の間に」講座に、頭がぐるぐる! 宇佐神宮ってそんなところだったの! まったく知らなかった歴史が、「見てきた」かのように語られている! 夜中に、あんなに密度の濃いお話を聞いたのは初めてで、眠くなるどころか目はさえてくる一方。最後に松岡校長も出演されている宇佐神宮にまつわるビデオを見て宇佐神宮の予習終わり!
となるはずもなく…夜座は夜が明けるまで?続きました。。。


講師は般若まさとしさん。一気に神と仏の関係線を紐解いた


<2日目>

 何時間寝たでしょうか。朝食には深夜まで呑んでいた胃と、知らない知識を急に入れられた頭にも優しいおかゆ。もちろん、おかわりする人続出のおいしさ。
 晴れた時の景色をぜひ見てみたい! まだまだ美味しい食事が食べたい! そんな気持ちを振り切って、寺床の家に別れを告げ、宇佐へ。


チェックアウト前に集合写真。掛け軸も年に一度のご開帳


 2日目の出発は宇佐神宮から。ここで鈴木さん合流。
 朝の宇佐神宮は人もまばら。手水の作法を教えていただき、さあ本殿へ!と雨上がりの参道を森の中へ歩き出そうとすると、バキバキバキメキッと音をたてて目の前で木が倒れました。何の前触れ…?
 10時半から正式参拝。待合室のような場所は、外の蒸し暑さを打ち消すかのようにクーラーをガンガンに効かせていました。やはり、神様に“エコ”とか言っちゃいけないのか?などという邪心は、拝殿での参拝が始まるとすぐに無くなりました。夜座の予習ビデオで話に出ていた太鼓の音が印象的。わたしには、神楽のリズムのように聞こえました。すると、巫女さんが「神楽」を舞うという。こんなに厳かな場所でもあんなに激しい舞を?大蛇を退治する?と思ったのですがまったく違い、鳴り物は上品で、少し傾ける首や体は少女の舞のようでした。

 本殿へ進むと、外がすごく晴れていることに気づきました。
 正式参拝が終わり、お守りなどを買って、下宮で参拝しているとまたまたどしゃぶりの雨。相合傘で歩くも、みんなびしょ濡れ…。食事休憩では、濡れた体を乾かしながら大量の試食をいただく。ただ、出てくるのは佃煮のような味の濃いものばかり。体が乾いただけでなく、のども渇きました。


欠席者のお土産は宇佐神宮みくじ。名前を読み上げ引いてます


 食後は、すぐそばの極楽寺へ。廃仏毀釈のさいに壊されたという弥靱菩薩は胸元に復元の後が生々しい。そして、供えられた花は枯れ枯れ。もう少し何とかならないか…。宇佐神宮のきらびやかさを直前に見ているだけに、なんだか寂しくなってしまいました。

 さらに歩いて、溝口ひょうたん本舗へ。大分ではテレビなどにも出演し、ちょっとした有名人の溝口さん。ひょうたんも庭で育てていると思っていたので、「大ひょうたん園に住む人」という想像とは違いましたが、工房にはいろんな形の、いろんな加工の、知恵を絞ったひょうたんがたくさん。


溝口さんはひょうたんを宇佐の特産に育てた張本人

 いただいた「天然ひょうたんのしおり」と「宇佐ひょうたん由来記」によると、宇佐のひょうたんは宇佐神宮の八幡神、応神天皇に由来しているらしくとても縁起のいいものらしいです。
 そして絵付け。各自思い思いのひょうたん作品を仕上げました。鈴木さんの力作は素晴らしかったですね!



色とりどりのひょうたんには玄會の思い出も詰っている


 玄曾最後の訪問地となったのは、大楽寺。本堂に上げていただき、ご住職の説明を聞きながら造弥勒仏三尊像、四天王像を見学。ここで般若心経を唱えたのですが、メンバーの多くが住職に声を合わせ唱えていたことに驚きました。男性だけでなく女性の声も多く聞こえたためか、住職のテンションも一気に上昇? いろいろなお話を聞かせてくれ、質問にも大変丁寧に答えてくださいました(ちょっと早口なところが残念。聞き取れないところもいくつか…)。夜座でも出てきた宇佐と異国(新羅)との繋がりの話も出てきてびっくり。それも、ご住職が実際に韓国に行った際に「景色が似ていた。おそらく昔の人々も自分の住んでいた場所に似たところに根付いたのではないだろうか」と実感されている。歴史に真実味が増した気がしました。


「なにか研究されている団体さんですか?」とご住職も興味津々

 2日間の濃い日程もここで終了。雨に洗われながら進んだ2日間でした。ただし知識は表われて流れるどころか磨かれて増える一方。わたしはこれまで、こんなにも大分、九州、日本の歴史に興味を持ったことはありませんでした。過去を巡るたびはとても興味深く、刺激的で、新しい発見だらけ。これが晴天続きだったら体力がもったかな…と少し心配になるほど。雨も、熱しすぎる頭を冷やすための、冷却水だったのかも? 途中、強い雨に打たれてはっと現実にかえって、雨に視界をさえぎられながら“一生懸命”に運転していたくらいがちょうどよかったのかもしれませんね。

 とても充実した2日間でした。みなさんにお会いでき、たくさんお話ができたのもとても楽しかったです。いい体験をさせていただき、本当にありがとうございました!


河野 恵

2008年09月11日

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