神無月夜会 九重夜噺篇


寺床の家の新しい住人・ナナちゃんがお出迎え


九天玄氣組には場所がない。なにかある度、集まる度に流浪点々としている。悲願は場所を確保することなのだが(空き部屋を限りなく無償にて提供してくださる方、随時募集中です)、仮の宿はある。その一つが、大分県九重にある「寺床の家」だ。

この寺床の家、小高い丘の上に立つ、赤い屋根の小屋。私は別称・ハイジの家と呼んでいる。オンジ役の亭主もいるし、最近はヨーゼフ役(?)の犬・ナナちゃんも加わった。ワラのベッドはないが、立派なベッドもふかふかの布団もある。リビングには暖炉もあるし、手作りの燻製やスープ、チーズなどもふるまってくれる。一度訪れるとやみつきになるという、とっておきの場所である(あとはハイジだけだね)。ちなみにわがJrは亭主のことを「山のおいちゃん」と呼んで慕っている。

*寺床の家はこちら*
http://blog.goo.ne.jp/teratoko-house


秋の「寺床の家」。寒さも日に日に増してます。


九重に着いたのは、陽が沈んだ直後だった。
車から降りると、突き刺すような冷気。「昨晩から急に冷えだしたんだよ」と寺床の亭主はいいながら、用意してくれていた薪をおもむろに暖炉に入れて火をつけた。この火がなによりのもてなしである。

各人荷物を部屋に置き、スーパーで買い出しした惣菜をテーブルに並べて夕食タイム。ちょいと寂しい食事だったためか、亭主が「どれ、あったかいみそ汁つくってあげよう」とつくってくれた。みそ汁のあたたかいこと。暖炉の火があたたかいこと。ぬくもりに感謝できる季節は、しあわせだ。とくに寺床の暖炉の火は、電気の温もりしか感じられない生活を送る私たちを骨の髄からあたためてくれる。そういえば今、火に接する機会を持てない生活をしている。生命力を減退させる要因のひとつとなっているという説もあるけれど、確かに便利やクリーンさ、安全面ばかりをおっかけて、もっと大事なことに気がついていないかもしれない。


夕食が終わって、2、3時間ほどミーティング。今日の日田のこと、咸宜園のこと、ブログのことなど。…しかし、しかしだ。視界に17年ものの香しいスコッチや焼酎が入ってくる。今回やむなく不参加だった東京支部の摩訶不思議テオさんからの差し入れなのだ。Yさん持込みのワインもある。話し合いもそこそこに、歓談タイム。ここから「待ってました!」といわんばかりに亭主も席に加わった。


ギターを抱えて熱唱する亭主。

スコッチに燻製、ワインにチーズ、そして暖炉の炎と熱と音。顔を赤らめ、編集談義に花が咲く。わがJrは、なかなか近づこうとしない犬のナナにちょっかいをかけつつ、私の隣で絵を描いている。途中、亭主がアコースティックギターで歌も披露。芳醇なスコッチの薫りとともに、夜は更けていった。テラスに出てみれば満天の星空に天の川。そして流れ星。エリック・クラプトンの「ワンダフルナイト」を口ずさみながら、寒さも忘れて星空を眺めた。


好きなこと。好きな人と、好きな酒とともに好きな話をする。九天玄氣組の数寄はここからはじまる。不足もあれば、対話もある。遊び心もたっぷりある。それを編集エンジンにしていく仲間がいる。そのつながりの愉快さを噛み締めた夜となった。



注文すれば朝食も用意してくれる。今朝は今年“最後の鮎”が並びました。



別れ間際に記念撮影。この後は温泉で身体を温め、宇治山哲平も描いた九重の山をめぐる。


*九天玄氣組のみなさんへ*
「寺床の家」に摩訶不思議さん提供のスコッチをキープしてます。近いうちにまた行きましょう。今回参加できなかった皆さんも、ぜひ♪

2007年11月07日

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